Webマーケターの書評日記

書評を中心にWeb業界の事や時事ネタ等、色々と書いていきます。

【書評:004】ハイコンセプト 大前研一[訳]

「ハイコンセプト ダニエル・ピンク 大前研一[訳]」

かなり遅ればせながらこの本を読みました。

 

 この本はこれからの世の中において活躍、成功するために必

要な能力の磨き方を、色々な事例や研究結果を踏まえて、分り易く解説してくれています。

また今をときめくダニエル・ピンクの著書に大前研一訳と贅沢な一冊w


既にご存知の方ばかりでしょうが、ここ数年、オフショアやオートフォーメ―ション化によりこれまで欧州やアメリカもしくは日本等のホワイトカラーがこなしてきた仕事の多く(ルーティンワークや代替可能業務)を、何倍にも安いコストでアジア人やコンピュータが代わりにこなしてくれるようになりました。

これは現在それなりの給料をもらって生活しているホワイトカラーにとっては非常に危機的状況であります。
なぜなら現在の自分の仕事がルーティンが多く、だれにでも代替可能で、しかも他国ならもっと安くできる場合は、いつその仕事が他国やコンピュータに奪われてしまうかわからないからです。
(もしくは今よりもっと安い賃金で同じ業務をする必要にせまられるかもしれない)

 これまでは左脳主導の考え方(論理的な思考)が世の中を席巻し、それと共に世の中も発展してきましたが、それにより上記で述べてきたオフショア、オートフォーメーション、そしての過剰なまでの豊かさ(衣食住が満たされるだけでは満足できなくなる)がもたらされる事となり、それによってこれまで左脳主導主義で生きてきたビジネスマンは仕事が奪われてしまうかもしれないという可能性から、大きな転換の岐路に立たされる事となってしまったのです。



転換とは具体的には

- コンピュターにはこなせない
- 他国で安いコストではこなせない
- 過剰な豊かさがはびこる世界でも際限ない人々の欲望にリーチできる

上記の仕事がこなせるよう転換しないといけないという事です。

そして上記の仕事をこなすために最も大切な事が「右脳主導の思考」であるのです。

右脳は左脳と違い論理的な思考を司どってはおらず、感性に特化している領域です。
この感性を磨く事で、オフショアやコンピュータにはこなせない付加価値の高いクリエイティブな仕事がこなせるようになるのです。
※左脳の考えが必要なくなるという事でなく、左脳は右脳が生み出した考えを検証する意味でも今後も重要でありつづける事が変わらないです。

本書では具体的には6つの感性の磨き方を示しています。
「デザイン・物語・全体の調和・共感・遊び心・生きがい」です。

これだけではなんの事やらだと思いますので、まだ未読の方は是非ご一読ください。
必ず得られるものがあると思います。